ガーデニングとも、園芸とも違うという『盆栽』の魅力について、89歳のおじいちゃんに教わってきた。
89歳のおじいちゃんというのは、自分の本業である材木屋のお客さんのことである。
お客さんのお店に配達へ行くと、とても綺麗な盆栽がたくさん並んでいて、それらについての魅力を教えてもらうことになった。
△トップとこの上にある写真は、紫色の綺麗な花を咲かせる『藤』の盆栽。
この『藤』という花は、お世話するのがとても大変で、なかなか花を咲かせないという。
△この写真を見てもらうと、つぼみが出来ているのがわかるだろうか?
この『藤』の盆栽は、購入して15年目にして、やっと今年つぼみをつけたとのこと。
15年前に購入した際は、綺麗な花を咲かせている状態だったので、その年は『藤』の花を楽しめた。
しかし、翌年からは管理がうまくいかなく、それ以降つぼみを付けることさえなかったと言う。
ではなぜ15年の間つぼみをつけなかったのに、今年はつぼみをつけたのか?
その答えは、『盆栽』の世界ではやらない方が良いとされている、根の真下にある土を変えたからだ。
根を傷つけてしまうと、植物そのものが弱ってしまうため、周りにある土を変えることはあっても、真下の根にくっついた土までは変えないらしい。
それを89歳のおじいちゃんが、去年古い土から新しい土に変えたところ、今年15年ぶりにつぼみを付けたらしい。
やらない方が良いとされてることも、試しにやってみる。
このことが自分の頭の中を駆け巡った。
自分をこの『藤』の花と同じように考えてみると、まだつぼみもない自分には、やらない方が良いと勘違いしていて、やっていないことがあるのではないか?
『盆栽』の魅力を聞いたことで、そんな自問自答する良いキッカケになった。