「21世紀の資本」という経済学の本をご存知ですか?ぼくは名前こそ知っていましたが、もちろん読んだこともなく、どういった内容の本なのかも知りませんでした。
それが今回紹介する『まんがでわかる ピケティの「21世紀の資本」』で、「21世紀の資本」にどういったことが書いてあるのか?何を伝えたいとしている本なのかがよくわかりました。
経済学について何の知識もないぼくですが、この本はまんがと細かい文章での説明がある為、中学生でも読んで理解出来るのではないかと思います。
トマ・ピケティの言う【格差問題】、格差拡大の根本的要因「資本収益率(r)>経済成長率(g)」についても、面白いほどに言っていることがよくわかります。
そしてこの本を読み終えると、もっと詳しく「21世紀の資本」について知りたくなり、本物の本を読みたくなりますよ!
『まんがでわかる ピケティの「21世紀の資本」』
ピケティが「21世紀の資本」を書いた理由
トマ・ピケティは1971年フランス生まれとまだ44歳という若き経済学のエリートです。
世界の格差のありさまを正しく見ることで、富はどのように分配されるべきかを議論したいと思ったのだ。そうして世界各国、200年以上のデータを15年かけて調査研究した成果が「21世紀の資本」だ。
ピケティは世界各国で起きている貧富の格差について研究し、その結果を書いてあるのが「21世紀の資本」というわけです。
日本でも格差問題について議論されていますが、ピケティの意見とアベノミクスを照らし合わせると
アベノミクスが経済成長を重視している点。これは、〘r > g〙の不等式のgを上げることにつながる。つまり、格差を抑制する出発点としては悪い方針ではないといえる。
インフレ目標(2%)を設定している点についても、ピケティ的には、プラスの評価といえる。
このように、ピケティの「21世紀の資本」を訳し、この本の監修した山形浩生さんの意見も読むことができます。
〘r > g〙という歴史的現実
なぜ「持てる者」と「持たざる者」の差は、これほどまでに開いていくのだろう。ピケティはその答えとして、〘r > g〙という不等式を提示した。
それは「労働者が生産性を高めるスピードは、資本が増殖するスピードを追い越せない」という歴史的現実だ。
これについても本書を読むとよくわかるのですが、簡単にだけ言うと資本収益率(r)は、経済成長率(g)を常に上回るということです。
これはお金持ちにはお金が集まり、貧乏人にはいつまでたってもお金がまわってこないとよく言われますが、その疑問に対する答えです。
お金持ちというのは資産を持っています。その持っている資産が収益を生むのです。
貧困層の人は資産がありません。資産がないので、当然資産収益がありません。つまり、労働による収益しかないのです。
この資産による収益と、労働による収益を解析したことで、格差問題が広がっているという現実についてピケティは説明してくれています。
まとめ
この本を読んでわかった気でいましたが、文章にして説明しようとすると難しいものですね。少しでも気になった方は是非本書を読んでみて下さい。
▽本物の「21世紀の資本」も読みたくはなるのですが、トマ・ピケティが言いたいことというのは本書で十分に説明されているそうです。本物はかなり分厚い本で6千円近くの金額ですから、ちょっと躊躇しちゃいます。
この本を最初から最後までしっかり読んで1番印象に残ったのは
ピケティの話はあくまで、社会経済全体としての平均の話。そして時間的にも数十年の平均の話だ。安易に目先の儲け話に乗って、とにかく資本を持てばいい、などという話じゃない。
このように山形さんが監修あとがきに言ってらっしゃいました。
何事も上辺だけの知識・情報ではなく、本質はどこにあるのか?どういったことなのか?をしっかり考えなくてはいけないな〜と思いました。
まんがでわかるシリーズにはまっているぱすも(@jpasmo)でした! 最後まで読んでくれてMahalo…(`・ω・´)ゞ