『君たちはどう生きるか』という本がとても売れていて、名著であることは知っていました。
しかしどうも手に取り、読む気にはなれなかったのです。
その理由は、本屋で立ち読みをした時に、使っている言葉が古く、理解するのに時間がかかると感じてしまったからです。
そんなくだらない理由で敬遠していた本ですが、今回ブログ仲間と書いている『コラボ書評』の1冊として選ばれたため、重い腰を上げて読んでみました。
読み終わった今のぼくが、読む前の自分に伝えることができのならば、「もっと早くになぜ読まない!!」と叱ってやりたいほどに素晴らしく、教えもあり、考えさせてくれる名著でした。
『君たちはどう生きるか』 著者:吉野源三郎
行いは取り消すことができない
主人公の本田潤一君ことコペル君は、物語の中で大きな出来事と出会いました。
コペル君は勇気を出せず、友だちとしていた約束を守ることができませんでした。
その時にコペル君が思った言葉がこちら。
人間の行いというものが、一度してしまったら二度と取り消せないものだということを、つくづくと知って、ほんとうに恐ろしいことだと思いました。
p240より引用
ぼくはこの一文を読んだ時に、昔自分がした苦い経験を思い出しました。
「人間の行いというものは、1度してしまったら二度と取り消せない」
このことは痛く、辛い経験から、身にしみて覚えたことです。
つまりぼくは、コペル君と同じ経験をしているのです。
ぼくもこの辛い経験をした時に、「もう二度と同じ思いをしたくない!」そう強く思いました。
しかし後になって考えてみると、その時の経験があったからこそ、以前より後悔のない人生を送ることができていると感じています。
そのことについては、本書でコペル君のお母さんがお話してくれています。
あの石段の思い出がなかったら、お母さんは、自分の心の中のよいものやきれいなものを、今ほども生かしてくることができなかったでしょう。
p263より引用
お母さんも同じように苦い思い出があり、でもそのことがあったからこそ、今の自分でいれるのだとおっしゃっています。
ぼくは息子に、「自分と同じような苦い経験を味わって欲しくはない!」でもそういった苦い経験をするからこそ、人間として少し成長できるのだということも知って欲しい。
そんな苦い経験をしっかり乗り越えるために、この本は役立ってくれると確信しました。
大人が読んでも考えさせてくれる名著だと思いましたが、それ以上に子供に読んで欲しい本だと感じました。
まとめ
『コラボ書評』ということで、他の仲間が書いた記事のリンクを載せておきます。
他の人はどんな切り口で書評を書いたのだろうか?
是非読み比べてみて下さいね。