『働く男』というタイトルを見て、ぼくは働く人が主人公の小説かと思った。
この本は小説などの読み物でも、実用書でもビジネス書でもなく、『星野源』という人が書いた、『星野源』という人間を“働く男”と例え、その男のやってきた仕事について書かれた伝記に似た読み物となっています。
ぼくは著者の星野源さんを、“ドラマ『コウノドリ』に四宮先生という役で出演していた人”ということしか知りませんでした。
ある日本屋に行くとこの本が並んでおり、「あ、コウノドリに出てた人だ」と思って本書を手に取りました。
もちろん購入する気もなく、何となく開いた本だったのですが、最初の【はじめに】の部分でもう虜になってました。
隠す素振りも見せない、真正面から来る言葉。
もっともっとこの『星野源』という人が書いた文章を読みたい!そう思ったので、迷うことなく購入したのですが、最後まで読んでみても、もっともっと読みたいという気持ちはおさまりませんでした。
『働く男』
著者:星野源
音楽家であり、俳優でもあり、文筆家でもある著者。
2013年公開の主演映画『箱入り息子の恋』では日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞するほど。
2015年発売のシングル『SUN』がオリコンシングルチャート2位、配信チャートでも軒並み1位を記録。
とにかくマルチな才能を持った人だということだ。
書く男
2010年の早春から2012年までの約2年間、雑誌『ポパイ』の映画ページで連載していた映画コラムが書かれています。
選ばれたコラムだけが載ってるのだとしても、本当に面白い!!
中には映画の説明なんてほんの少しで、その映画にまつわる話で終わってるコラムもあるが、それでもその映画が観たいという気持ちになってくるから不思議だ。
自分の思い出、経験、自分の考え、意見を言葉巧みで映画とからめた話にしてくる。
流石の一言だ。
ぼくもブログというメディアで文章を書いているものとして、この溢れた文才にはただただ羨ましいの一言。
でも一つこの星野源さんの映画コラムを読んで、自分にもできそうなことを一つ見つけた。
それは大好きなアイスを食べて、星野さんみたいなコラムをブログで書いてみたら良いんじゃないか?ってこと。
そんな気づきも与えてくれるほどに、本当に面白く魅力ある文章で書かれているコラムでした。
歌う男・演じる男
シンガー・ソングライターとしての星野源、俳優でもある星野源の仕事。
「歌う男」では、自分が作った曲一つ一つにしっかりと思い入れがあり、そしてそれらエピソードが書かれている。
「演じる男」では、出演した映画や舞台について書かれている。
どちらもそれなりに面白かったのだが、最初の「書く男」ほどのインパクトをぼくは感じられなかった。それだけ「書く男」が面白かったのだが。
文庫版特別対談 星野源×又吉直樹「働く男」同士対談
小説『火花』で芥川賞を受賞した、お笑い芸人の又吉直樹さんとの対談が載っていた。
2人がお互いの考えを素直に話してる対談に、ぼくもその場にいたかったなんて思っちゃった。
巧みな文章を書ける人は、しっかりとした考えを持っているし、伝えたいことをしっかり伝える言葉を持ってるんだというのもわかりました。
まとめ
何気なく手に取った本で、ここまで心を奪われたのは久しぶりでした。
素敵な音楽も作れて、役者としての演技も出来て、面白く楽しい文章を書く文才にも溢れてる星野源さん。
天は二物を与えずどころか、三物も与えてるじゃん。
すっごく羨ましくて、到底かないそうにもないんだけど、なんでかな?コラムに関してだけは、ぼくも星野さんに負けないぐらいの文章を書いてみたいって強く思いました。
星野源さんを知らない人にもオススメ出来る、面白く楽しい本でした。
何だか文章を書くことに対して、すっごくやる気が出てきたぱすも(@jpasmo)でした! 最後まで読んでくれてMahalo…(`・ω・´)ゞ